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第56話

元旦、朝から電車に乗る。家族旅行で奥日光へ行く。飯を食って温泉に入ってゆっくりテレビを見るだけだが。

一年を一つの区切りにするのはちょうどいい。長すぎず、短すぎない。ギリギリ起きたことは何もかも覚えている期間だ。昔のことは、びっくりするくらい忘れている。高校時代の部活の先輩と飲んだ時、よくそんな試合の内容まで覚えてるなーと思った。悲しいな。だから今年も出来るだけ文字に残そう。

奥日光まで新宿から特急で2時間。アップルミュージックで音楽をかき集める。そんなに聞けるわけはないが、集めるほど集めたくなる。自分で音楽を作り出してからは、作り手の視点で音楽を聞けるようになった。こういう音もありなーとか。これはどうなんだろうなーとか。
テームインパラの人のソロのGUMという人のアルバムが良かった。あとはミゲルが良かった。消臭力の少年じゃないぞ。

奥日光から電車とバスで旅館まで1時間ちょい。すんごい山の中来た。電車と徒歩だけじゃ辿り着けない場所に行くのは特別感あって好きだ。こういうところへ来ると、思えば俺は中途半端に都会っ子なのだなと思う。生まれは東京三鷹、3歳まで広島、その後は東京駅まで電車で30分ほどの千葉のベッドタウンに暮らす。田舎の生活は、想像できない。正月は親戚一同が会するだとか、日本の村社会はよそ者に厳しいだとか、その他もろもろ、理解はできるけれど実感はない。

温泉に入った。鬼怒川が見える露天風呂。銭湯や温泉に来るとおっさんたちのくたびれただらしない体が目につく。毎日働いて家族を養い、くたびれた体をビールで元気づけるというだらしなくも仕方ないその体だが、この体になるのは悔しいな。今のピチピチボディを維持するのはそれなりに苦労するかと思うが、頑張りたい。露天風呂すんごい気持ち良かった。岩の間から流れ落ちる湯を見て、時間がこぼれ落ちているような、また刹那的になってしまった。子供が入ってきた。電灯に水を掛けたりしてはしゃいでいた。戻りたいとは思わないが、なんでも好奇心いっぱいに走り回る子供がうらやましい。

テレビを見た。格付け。ガクト様の相棒のジャニーズが外して悲しかった。終わらないものは多分ないので、仕方がない。