第99話

以前少し参加していたサークルの友人と先輩と飲む約束だった。先輩は仕事で遅いみたいなので友人と下北沢に繰り出した。

古着の安さに驚いた。ジーンズを一着買った。いつまで古着を着られるんだろうか。20代前半までは許されるだろう。落ち着いてまた買いに行きたい。古着の魅力はまず安さだ。あとは個性的なデザインだ。

結局先輩は残業で来られないみたいなので友人と二人渋谷でチャーハンを食べ、せっかくだから思い出作りにと六本木ヒルズまで歩いて展望台に登った。東京の夜景は光り輝いていて、ここに人がたくさんいるんだよと、都会という字を辞書で引いた説明を聞いているようだった。人工の光がまるで誰かの作り物みたいで「嘘みたいだな」と言った。

帰宅した。心地いい疲労感の中眠ろうとしている。

美しくなりたいと思う。美しくない人生なんてゴミだと思う。とすると、今の人生はゴミみたいなものかもしれない。少しでも早く抜け出そう。話はそれからだ。

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